みなさん、初期むし歯という言葉は聞かれた事がございますでしょうか?
初期むし歯とは、歯の表面が白くなってきたり、溝が黒くなってきたり、エナメル質が溶けかけている事を言います。
初期むし歯は絶対に削らず、フッ素を塗布する方が良いといわれています。
フッ素を塗布すると、エナメル質とアパタイトという硬い層を作り出し、むし歯が進行せずに留める事が出来ます。
特に、乳歯や生えかけの永久歯はフッ素を取り込みやすいので効果的です。
フッ素が低濃度であっても、長期間フッ素イオンが歯面に存在することが大切なので、
フッ素入りの歯みがき粉を使用する際は、頻繁にうがいすることを避け、ごく少量の水で
お口全体すみずみまで行きわたらせてから軽く吐き出すくらいが効果的です。
磨いた後はゆすぐとどうしてもハミガキ粉の中のフッ素も一緒に流れてしまうのでそれを補うために、お家で塗って頂けるフッ素のジェルがございます。
当院ではチェックアップジェルというフッ素のジェルがございます。
歯ブラシに少量をつけ歯の全体に付けてそのままうがいは一回程度にとどめて頂きます。
こちらも毎日の使用が効果的です
初期むし歯には、フッ素を上手に使用して削らずに済むようにしていきましょう
フッ素の他にも、初期むし歯に効果的なものがございます。
キシリトール
キシリトールは、白樺という木から取れる天然の甘味、代用甘味料と呼ばれています。
キシリトールの継続的な摂取によって、歯垢の付く量が減少し、粘着性も低くなるので
歯ブラシで磨いた時に歯垢が取れやすくなります。
キシリトールガム、当院ではポスカFというガムをお勧めしています。
ポスカFのキシリトールガムは、その甘味と、咬むということにより、唾液がよく出てくれるようになります。
唾液が良く出るということは、お口の中をキレイに洗い流してくれることに繋がるのです。
後は、CPP-ACP(リカルデント)
リカルデントは歯の再石灰化に必要なリン酸カルシウムが高濃度に含まれています。
歯が溶けかけているところにリン酸カルシウムが効果的に浸透し、結晶化することで、
再石灰化を促進してくれる効果があります。
さらに、カルシウムイオン、リン酸イオンの供給により、唾液の飽和度が維持されて、歯が溶けるのを抑制する作用も持ち合わせています。
ただし、牛乳アレルギーをお持ちのかたは使用できませんので注意が必要です。
POS-CA(リン酸オリゴ糖カルシウム)
馬鈴薯でんぷんから作られたリン酸のオリゴ糖がカルシウムと結合した物質です。
唾液にも容易に溶けて再石灰化に必要なカルシウムイオンが再石灰化能力を高めます。
最後に、ポリフェノール
ポリフェノールはお茶に含まれ、むし歯菌に対する抗菌作用があります。
むし歯抑制効果があると動物実験で明らかとなっています。
歯垢の付きも抑制してくれますが、明らかなむし歯抑制効果は証明されてはいません。

