胸の泉に

今年、入院治療を受け、多くの患者様に ご心配やご迷惑をおかけしましたことを

お詫び申し上げます。

現在 健康を取り戻し 日々の治療に励んでいます。

 

今日は入院を通して感じたことを少しだけしたためます。

 

入院前に、塔 和子さんという方の詩に出会いました。

彼女は ハンセン病を患い 1943年 13才で、国立療養所大島青松園に

入所させられました。  9年後、特効薬で完治するも、隔離され続けたまま

83才で亡くなられました。  (実に70年)

 

 

『胸の泉に』       塔 和子

 

かかわらなければ

 

この愛しさを

知るすべはなかった

 

この親しさは

湧かなかった

 

この大らかな依存の安らいは

得られなかった

 

この甘い思いや

さびしい思いも知らなかった

 

 

人は

かかわることから

さまざまな思いを知る

 

子は親とかかわり

親は子とかかわることによって

恋も友情も

かかわることから始まって

かかわったが故(ゆえ)に起こる

幸(こう)や不幸を

積み重ねて大きくなり

くり返すことで磨かれ

 

そして人は人の間で

思いを削り思いをふくらませ

生を綴(つづ)る

 

 

ああ

何億の人がいようとも

かかわらなければ

路傍(ろぼう)の人

 

私の胸の泉に

枯れ葉いちまいも

落としてはくれない

 

私も闘病がつらく 苦しみました。

しかし、私は早く良くなって 病院から出ていきなさい と言われる身。

彼女は完治するも 一生出してもらえない身。

どんなにかつらかったことか。   思えば 涙が止まらない。

病院から外を観ると 私には何ひとつかかわらず 世の人たちが過ごしている。

置いてかれた感が強く有りました。

 

退院したら1日1日を大切に生きよう。

人との関わりを大切にしよう。

病気を通して色んな気付きを与えてもらいました。

院長