口から食べられない   ~ 要介護者にも口腔ケアが非常に大切なわけ ~

点滴や胃瘻で栄養をとっている要介護の人は、口から食べないので 口の中は汚れていないと思われがちですが
食事の刺激による唾液の量が減って ドライマウスが進むことがわかっています。
口腔粘膜が乾燥すると、剥離した粘膜上皮や 乾燥した痰が咽頭部に固まって蓄積し 大変危険です。
また 気管支炎や肺炎の原因にもなるので、口腔ケア(口の中を清潔にすること)が非常に大切なのです。

 

ここで口腔内感染症についてお話します
口腔内感染症には大きく分けて、口腔常在菌が原因となる内因感染外来菌によっておきる外因感染の2つがあります。
虫歯や歯周病、ガンジダ症などは内因感染で、結核や梅毒などによる口腔症状や、ウィルス性疾患は外因感染です。

口が乾き口腔内の自浄作用がなくなると、口腔内は酸性状態におちいります。
真菌の一種のガンジダは酸性を好み 異常に増えて高齢者にガンジダ症をひきおこします。
栄養不良や免疫低下、薬剤の副作用などによるガンジダ菌の増殖により、ガンジダ症を発症するのです。
このガンジダを伴った肺炎がすすむと、治療が大変困難になるそうです。
その上に、飲み込むという機能低下から誤嚥がおきやすくなると より肺炎がすすむことになります。
認知症や誤嚥性肺炎がおきると、息が苦しくなって 口で息をしようとします。
そこで ドライマウスがおきるのです

また、肺炎を繰り返すと酸素吸入マスクを使用しますが、それもドライマウスの原因になります。

つまり要介護者は免疫力が低下し、口の唾液量も低下し、ドライマウスをおこし
口腔内環境が酸性に傾き、常在菌の異常増殖や、外来菌の感染から様々な疾患を起こします(特に肺炎など)
そしてそれらの治療によって ドライマウスがさらに進むのです。

口腔内をケアすることで肺炎防止になることが 今声高にいわれております。
また 様々な全身疾患の治療においても、口腔ケア(口の中を清潔にすること)をすれば治療成績が大きく向上することが
医学会では常識になっています。
具体的には、歯ブラシによるブラッシングや、既に口のなかにある義歯の清掃は 大変有効です。
また、以前にお話ししたマッサージ法で唾液分泌を促すことも 口腔ケアでは重要です。

是非 食べたら磨くという習慣を 介護する方も身につけてください。